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財布や名刺入れなど、どうせ使う道具なら愛着が湧くものが良い。ということでドゥラムではほとんどの商品に革を使っています。

革製品は使っていると引っ掻いたりしてキズが入ります。必ず入ります。最初は結構ショックです。ブラシをかけてキズが消えたり、消えなかったり。そのうち、キズのことを忘れたり。ブラシをかけることでも表面の状態が変わっていきます。もはや後戻りはできません。そんな小さな変化の積み重ねによって、買った時と全然違う風合いに変わっていきます。

使う人によって変わり方も千差万別。ガシガシ使ってワイルドな感じになったり、大切に育てられて渋い風合いになったり。ちょっと大げさですが、持ち主の人となりを反映するのかもしれません。子供や孫も然り、自分に似たものってかわいいもんです。

使う方にとって愛着がわく道具に育つように一つ一つ手作りしています。

ベルトポーチの比較

数年使ったベルトポーチと新品のもの。並べてみると違いが良くわかります。

使ったベルトポーチ

6年ほど使ったベルトポーチ。腰につけているので地面で擦ったりして傷だらけですが、そんなところも含めて気に入っています。

植物性タンニン鞣しについて

「鞣し(なめし)」というのは動物の皮を腐らないようにして、道具や衣類に使えるようにする作業のことを言います。植物性タンニンとは植物からとれる渋みのことです。柿渋なんかの渋みです。

一般的に革製品で使われている革はクロム鞣しや混合鞣しのものが多いです。生活で一番目にする革。パキッとした色味で革のキズも目立たず、たくさん作れるので安いです。でも牛革本来の質感を隠してしまいます。

植物性タンニン鞣しは昔ながらの方法で手間と時間がかかりますが、革そのものの質感を活かしたナチュラルな仕上がりになり、革の経年変化もよく現れます。

そして何より大切な点は、生産の工程で化学物質を使わないので環境に対してダメージが少なく、自然に還る素材だということ。自然に対しては中々胸を張っていられない我々人間ですが、道具として気持ちよく使う上で大切なことだと思っています。

ミモザの葉

植物性タンニン鞣しでよく使われるミモザの葉っぱ。

革の個体差について

植物性タンニン鞣しはナイロンや合皮のように均一な質感ではなく、牛皮そのもののキズやトラと言われる色の濃淡など、牛の個性が現れます。

革の状態によって商品に使える・使えないということが出てきてしまうのですが、すべての商品に完全に均一な所を使うとなると、どうしても高額になってしまいます。

革自体のワイルドな風合いの良さを感じてもらいたいという思いと、おもいっきり使ってもらいたいという思いがあり、長年培った職人のセンスで商品に使う箇所を選別しております。

幸いながら今の所、革の質感については、ご満足のお声を頂くことがほとんどです。牛革の個性として受け止めていただけると幸いです。

トラ

牛の背中のあたりに現れる「トラ」という模様。丈夫なのであえてこの部位を選ばれる方も。

キズ

生前の牛のキズ。牛の生き様が刻まれています。とはいえ、あえて目立つように使ったりはしませんので、ご安心ください。

使用している革の種類について

同じ植物性タンニン鞣しの革でもその加工の仕方で様々な表情の仕上がりになります。ドゥラムで使用している革の一部をご紹介いたします。

Smooth(スムース)は滑らかな手触りで弾力があります。はじめは少し硬いですが、使っていくうちに柔らかく馴染んでくる、育てがいのある革です。

Buono(ヴォーノ)は部位によって表面に現れるシボという細かいシワがおしゃれな革です。柔らかくオイリーな手触りでマネークリップやポーチなどに使用しています。

Supple(サプル)は発色が良い、しなやかな革。赤やネイビーが綺麗です。こちらは原皮も日本産です。しっとりとした優しい手触りが特徴です。

スムースを使った長財布

スムースを使った長財布。光沢が綺麗です。

ヴォーノを使ったマネークリップ

ヴォーノを使ったマネークリップ。それぞれシボの入り方が異なり個性的な表情をしています。

サプルを使った革財布

サプルを使ったファスナーウォレット。発色が良いので並べると綺麗です。